性能・品質
2024/12/18
7分で読める

ZEH住宅のメリットと補助金制度

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の具体的なメリットと、利用できる補助金制度を詳しく解説

おうちハカセ編集部
ZEH・省エネ住宅の専門チーム。一級建築士・省エネ建築診断士による監修。環境省ZEHプランナー登録事業者との連携により、最新の補助金情報と技術動向を提供。

ZEH(ゼッチ:Net Zero Energy House)は、省エネと創エネにより年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅です。本記事では、ZEH住宅の具体的なメリットと利用できる補助金制度について詳しく解説します。

ZEHとは?

定義

ZEHは以下の3つの要素を満たす住宅です:

  1. 高断熱化による省エネ
  2. 高効率設備による省エネ
  3. 太陽光発電等による創エネ

ZEHの種類

  • ZEH:省エネ率20%以上、創エネを含む省エネ率100%以上
  • ZEH+:省エネ率25%以上、さらなる高性能化
  • 次世代ZEH+:ZEH+に加え、蓄電システム等を導入

ZEH住宅の5つのメリット

1. 光熱費の大幅削減

年間光熱費の比較

  • 一般住宅:約20~25万円
  • ZEH住宅:実質0円~5万円

太陽光発電による売電収入も含めると、年間15~20万円の削減が可能です。30年間で450~600万円の節約になります。

2. 快適な住環境

高断熱による効果

  • 室温が安定し、ヒートショックのリスク軽減
  • 結露やカビの発生を抑制
  • 騒音の遮断効果

UA値0.6以下の高断熱により、真冬でも暖かく、真夏でも涼しい快適な環境を実現します。

3. 環境への貢献

CO2削減効果

  • 年間約3.5トンのCO2削減
  • 杉の木約250本分の吸収量に相当

地球温暖化対策に貢献し、子どもたちに良い環境を残すことができます。

4. 災害時の安心

停電時の対応

  • 太陽光発電で日中の電力確保
  • 蓄電池があれば夜間も電力使用可能
  • 最低限の生活を維持

近年増加する自然災害に対して、レジリエンス(回復力)の高い住宅となります。

5. 資産価値の向上

将来性

  • 省エネ基準の義務化により、ZEHが標準に
  • 中古市場でも高評価
  • 売却時の有利性

ZEH補助金制度(2025年度)

1. ZEH支援事業

補助額

  • ZEH:55万円/戸
  • ZEH+:100万円/戸
  • 次世代ZEH+:100万円/戸

追加補助

  • 蓄電システム:2万円/kWh(上限20万円)
  • 直交集成板(CLT):90万円/戸
  • 地中熱ヒートポンプ:90万円/戸
  • PVTシステム:65万円/戸または80万円/戸
  • 液体集熱式太陽熱利用:12万円/戸または15万円/戸

2. 子育てエコホーム支援事業

対象者

  • 子育て世帯(18歳未満の子を有する)
  • 若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下)

補助額

  • ZEH住宅:80万円/戸
  • 長期優良住宅:100万円/戸

3. 地域型住宅グリーン化事業

対象

地域の中小工務店で建築する場合

補助額

  • ゼロ・エネルギー住宅:125万円/戸
  • 地域材加算:20万円
  • 三世代同居加算:30万円

補助金申請の流れ

1. 事前準備

  1. ZEHビルダー/プランナー登録業者の選定
  2. ZEH仕様の確認
  3. 必要書類の準備

2. 申請手続き

  1. 交付申請(着工前)
  2. 交付決定通知の受領
  3. 着工・竣工
  4. 実績報告
  5. 補助金受領

3. 注意点

  • 予算枠に達し次第終了
  • 申請は事業者が代行
  • 完了期限の厳守が必要

ZEH化のコスト

初期費用の目安

  • 一般住宅との差額:200~300万円
  • 内訳:
    • 高断熱化:50~100万円
    • 高効率設備:50~80万円
    • 太陽光発電(5kW):100~150万円

投資回収期間

  • 補助金なし:15~20年
  • 補助金あり:10~15年

光熱費削減と売電収入により、確実に回収可能です。

ZEH化の具体的な仕様

断熱性能

  • UA値:0.6以下(地域により異なる)
  • 窓:Low-E複層ガラス、樹脂サッシ
  • 断熱材:高性能グラスウール16K相当以上

省エネ設備

  • 給湯:エコキュート(COP3.5以上)
  • 照明:LED照明
  • 換気:熱交換型換気システム

創エネ設備

  • 太陽光発電:4~6kW程度
  • 蓄電池:5~10kWh(オプション)

まとめ

ZEH住宅は初期投資は必要ですが、長期的に見れば経済的にも環境的にも大きなメリットがあります。さらに、充実した補助金制度を活用することで、導入のハードルも下がっています。

これから家を建てる方は、ぜひZEH住宅を検討してみてください。快適で経済的、そして地球にやさしい暮らしが実現できるはずです。

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2件のコメント
家づくり初心者3日前

とても参考になりました!特に予算の部分が具体的でわかりやすかったです。

経験者2日前

私も同じように感じました。実際に家を建てる時に役立ちました!

二世帯住宅検討中1週間前

二世帯住宅についてもっと詳しく知りたいです。別の記事はありますか?

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