計画・準備
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住宅予算の立て方

注文住宅の予算計画と住宅ローンの基本

STEP 2: 住宅予算の立て方

注文住宅の予算計画は成功の鍵となります。適切な予算設定の方法をご説明します。

住宅予算の全体像

注文住宅の総費用は以下の4つに分けられます:

1. 土地代

  • 立地や面積によって大きく変動
  • 都市部では総予算の50〜70%を占めることも
  • 地方では30〜50%程度

2. 建物本体工事費

  • 構造や仕様によって決まる
  • 坪単価×延床面積で概算
  • 総予算の60〜70%(土地代除く)

3. 付帯工事費(別途工事費)

  • 外構工事:50〜200万円
  • 地盤改良工事:100〜300万円
  • 屋外給排水工事:50〜100万円
  • 照明・カーテン工事:50〜150万円

4. 諸費用

  • 税金・登記費用:50〜100万円
  • 住宅ローン手数料:50〜100万円
  • 火災保険:20〜50万円
  • 引っ越し費用:20〜50万円

住宅ローンの基本

借入可能額の目安

一般的な基準

  • 年収の7〜8倍程度
  • 月収に対する返済負担率25〜30%以下

年収別借入可能額(金利1.5%、35年返済の場合)

年収借入可能額月返済額
400万円約3,500万円約10.8万円
500万円約4,400万円約13.5万円
600万円約5,200万円約16.0万円
700万円約6,100万円約18.7万円
800万円約6,900万円約21.2万円

返済負担率

理想的な返済負担率

  • 手取り月収の25%以下:安全圏
  • 手取り月収の25〜30%:注意が必要
  • 手取り月収の30%超:リスクが高い

住宅ローンの種類

1. 固定金利型

  • 特徴: 全期間金利が変わらない
  • メリット: 返済額が確定、金利上昇リスクなし
  • デメリット: 変動金利より高め
  • 適している人: 安定志向、金利上昇を懸念する人

2. 変動金利型

  • 特徴: 市場金利に連動して変動
  • メリット: 当初金利が低い
  • デメリット: 金利上昇リスク
  • 適している人: 繰上返済能力がある人

3. 固定金利期間選択型

  • 特徴: 一定期間固定、その後変動または再選択
  • メリット: 当初期間の安心感
  • デメリット: 期間終了後の金利リスク
  • 適している人: 当面の安定を重視する人

4. フラット35

  • 特徴: 最長35年固定金利
  • メリット: 全期間固定、団信任意加入
  • デメリット: 民間ローンより金利が高め
  • 適している人: 超長期の安定を求める人

住宅予算の立て方ステップ

ステップ1: 自己資金の確認

準備できる自己資金

  • 現在の貯蓄額
  • 親からの援助
  • 退職金など

必要な自己資金の目安

  • 頭金:住宅価格の10〜20%
  • 諸費用:住宅価格の7〜10%
  • 予備費:100〜200万円

ステップ2: 月返済可能額の算出

現在の住居費を基準に考える

  • 家賃
  • 管理費・駐車場代
  • 光熱費

将来の収支変化を考慮

  • 収入の増減見込み
  • 教育費の増加
  • 老後資金の準備

ステップ3: 借入可能額の計算

月返済可能額から逆算して借入額を決定

計算例(月返済額12万円、金利1.5%、35年返済)

借入可能額 ≒ 3,900万円

ステップ4: 総予算の決定

自己資金 + 借入可能額 = 総予算

注意すべきポイント

1. 予備費の確保

  • 建築中の追加工事:100〜300万円
  • 引っ越し・家具購入:50〜200万円
  • 予期せぬ出費:50〜100万円

2. ランニングコストの検討

  • 固定資産税:年間10〜30万円
  • 火災保険・地震保険:年間3〜10万円
  • メンテナンス費:年間20〜50万円

3. 将来のライフイベント

  • 子供の教育費
  • 親の介護費用
  • 自身の老後資金

4. 金利上昇への備え

  • 変動金利選択時は金利上昇を想定
  • 3〜4%まで上昇した場合の返済額を確認

実例:年収600万円世帯の予算計画

世帯情報

  • 夫婦+子供1人
  • 年収600万円(手取り月収38万円)
  • 現在の家賃10万円

予算計画

  • 月返済可能額:13万円(手取りの34%)
  • 借入可能額:約4,200万円
  • 自己資金:800万円
  • 総予算:5,000万円

内訳

  • 土地代:2,500万円
  • 建物本体:2,000万円
  • 付帯工事:300万円
  • 諸費用:200万円

まとめ

住宅予算は家族の将来を左右する重要な決定です。無理のない返済計画を立て、ゆとりある住宅取得を目指しましょう。

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