デザイン・間取りガイド

理想の暮らしを実現する
デザイン・間取り設計

家族のライフスタイルに合った美しく機能的な住まいづくりのポイントを専門家がわかりやすく解説します。

間取り設計の相談
相談者
間取りを決める時に一番大切なことって何でしょうか?
ハカセ
2025年のトレンドとして、在宅勤務対応の可変ワークスペースと省エネ・ZEH基準への適合が必須です。基本は生活動線の効率性、将来変化への対応、収納計画が重要ですね!
相談者
家事時間を短縮できる間取りってありますか?
ハカセ
「洗濯機→室内干しスペース→ファミリークローゼット」を一直線に配置すると、家事動線が短縮されます。積水ハウス住生活研究所の調査では、水回りを5m以内に集約した「家事ラク動線」により、洗濯・掃除時間が30~40%短縮されるという結果が出ています(2023年生活動線研究レポート)。

住宅デザインのスタイル

あなたの好みとライフスタイルに合ったデザインスタイルを見つけましょう

モダン
人気度:
スマホのようにシンプルで美しい家。余計な装飾を削ぎ落として、お財布にも優しい

特徴

  • 定規で引いたような直線美
  • 映画館のスクリーンのような大窓
  • 墨絵のような白黒の世界
  • 禅寺のような簡素な美しさ
ナチュラル
人気度:
森の中で深呼吸するような家。木の香りに包まれて、梅雨でもカラッと快適

特徴

  • 素足で歩きたくなる無垢の床
  • 土の温もりを感じる茶色
  • 朝日が差し込むカフェのような明るさ
  • 観葉植物が主役の緑のカーテン
和モダン
人気度:
高級旅館とモダンホテルのいいとこ取り。畳の香りとフローリングの清潔感が同居

特徴

  • 障子越しの柔らかい光
  • 京町家の格子戸のような美しさ
  • 靴を脱いでホッとする玄関土間
  • 縁側で夕涼みできる庭との繋がり
インダストリアル
人気度:
工業的でクールなデザイン

特徴

  • 鉄骨の露出
  • コンクリート打放し
  • ダークカラー
  • 無骨な質感
クラシック
人気度:
上品で格調高いデザイン

特徴

  • 装飾的な要素
  • 重厚感
  • アンティーク調
  • 対称性
カントリー
人気度:
親しみやすく温かなデザイン

特徴

  • レンガや石材
  • パステルカラー
  • 曲線の活用
  • 花や植物

間取り設計の4つのポイント

快適で機能的な間取りを実現するための重要な考え方

家族構成に合わせた設計
現在と将来の家族構成を考慮した間取り
  • 子供部屋が赤ちゃんのゆりかごから受験生の城まで変身
  • 両親との同居可能性
  • ペットとの共生
  • ワークスペースの確保
ライフスタイルの反映
家族の生活パターンに最適化
  • 朝の身支度が渋滞から高速道路へ。洗面所の順番待ちゼロ
  • 料理を楽しめるキッチン
  • くつろぎの空間づくり
  • 趣味を楽しむスペース
快適性の追求
居心地の良い空間づくり
  • 朝は鳥のさえずりで目覚め、夜は月光のカーテンで眠る
  • 適切な収納計画
  • プライバシーの確保
  • 音環境への配慮
機能性の向上
日常生活を便利にする工夫
  • 洗濯物を干すのが駅の階段登りから自宅の廊下散歩に。料理中の移動がマラソンからお散歩に
  • 十分な収納容量
  • メンテナンスのしやすさ
  • エネルギー効率

実際の建築プロジェクト事例

さまざまな条件で実現した注文住宅の実例を詳しくご紹介

人気の間取りプラン

現在人気の間取りプランとそれぞれのメリット・注意点

LDK一体型
リビング・ダイニング・キッチンが一体となった開放的な間取り

メリット

  • 家族のコミュニケーション促進
  • 開放感
  • 効率的な家事動線

注意点

  • 音やにおいの広がり
  • 冷暖房効率
  • プライバシー
回遊動線
家の中をぐるりと回れる動線設計

メリット

  • 移動距離を平均30%削減
  • 家事時間を1日45分短縮
  • 子供の遊び場

注意点

  • 建築コスト10-15万円増/坪
  • 家具配置の制約
  • 構造的な制約
スキップフロア
段差を活用した立体的な空間構成

メリット

  • 空間の有効活用
  • 視覚的な広がり
  • 収納スペースの確保

注意点

  • バリアフリー性
  • 建築コストの増加
  • 音の伝播

間取りの失敗を防ぐ重要ポイント

多くの人が後悔するポイントを事前に知って、失敗を防ぎましょう

よくある間取りの失敗と対策

❌ 収納不足

見た目を重視して収納を削った結果、物があふれて生活しづらい家に

✅ 対策:現在の持ち物を全て書き出し、必要収納量の1.5倍を確保する。 各部屋に収納率15%以上(例:6畳なら約1.5㎡)を目安に設計する。

❌ 家事動線の悪さ

洗濯機と物干し場が離れていて、1日50回以上の往復で総距離300m以上歩く羽目に

✅ 対策:「洗う→干す→しまう」を同じ階、5m以内に配置。 キッチン・洗面・脱衣室を三角形に配置して移動距離を最大60%削減。

❌ コンセント位置の失敗

家具を置いたらコンセントが使えない、延長コードだらけの部屋に

✅ 対策:家具配置図を作成してからコンセント位置を決定。 6畳で8個、8畳で10個以上設置(通常の2倍)。追加工事は1箇所3万円。

❌ 日当たり・風通しの悪さ

隣家が近くて昼間でも電気が必要、湿気がこもってカビが発生

✅ 対策:周辺環境を時間帯別に確認(朝・昼・夕方)。 窓は2方向以上に設置して風の通り道を確保。

💡 プロのアドバイス:間取りは一度決めると変更が困難です。生活シーンを具体的にイメージし、 朝起きてから寝るまでの動きをシミュレーションしてみましょう。 疑問点は遠慮なく設計士に相談することが大切です。

将来のリフォームを考慮した設計

可変間仕切りシステム

スケルトン・インフィル設計

構造体(スケルトン)と内装(インフィル)を分離。間取り変更が容易に。

  • 耐力壁を外周部に集約
  • 内部は可動式パーティション
  • 将来の間取り変更費用:50〜100万円

ライフステージ別の活用例

  • 1.
    新婚期:広々としたLDKで開放的に
  • 2.
    子育て期:子供部屋を2つに分割
  • 3.
    独立後:趣味部屋や書斎に転用
  • 4.
    老後:バリアフリー化して1階で完結
将来を見据えた配管計画

さや管工法の採用

配管を保護管(さや管)に通すことで、将来の更新が容易に。

  • 配管交換が壁を壊さずに可能
  • メンテナンス費用を大幅削減
  • 初期費用:+20〜30万円程度

配管集約のメリット

水回りの集約配置

キッチン・浴室・洗面を近接配置で配管長を短縮

点検口の適切配置

主要配管部に点検口を設置しメンテナンスを容易に

将来の増設対応

2階トイレ増設用の配管スペースを事前確保

リフォームしやすい設計の10のポイント

構造・設備面

  • 1.大スパンの構造で内部の自由度確保
  • 2.床下・天井裏の配線・配管スペース確保
  • 3.外壁は高耐久素材で長期メンテナンスフリー
  • 4.電気容量に余裕を持たせる(将来のEV対応)
  • 5.情報配線用の空配管を各部屋に設置

間取り・仕様面

  • 6.水回りを1箇所に集約(移設費用削減)
  • 7.階段位置を建物中央に(間取り変更の自由度)
  • 8.収納は造作より既製品(更新が容易)
  • 9.建具は引き戸中心(バリアフリー対応)
  • 10.予備スペースの確保(エレベーター設置等)

ペットとの共生設計

ペット対応床材

床材の選択

ペット用フローリング

表面硬度が高く、傷に強い

  • • 滑りにくい加工済み
  • • アンモニア耐性あり
  • • 費用:+3,000円/㎡

クッションフロア

足腰への負担軽減

  • • 防水・防汚性能
  • • メンテナンス容易
  • • 費用:2,000円/㎡〜

タイルカーペット

部分交換可能

  • • 防音効果あり
  • • 汚れた部分のみ交換
  • • 費用:3,000円/㎡〜
ペット対応壁材

壁材の選択

腰壁パネル

H900mmまで保護

  • • 引っかき傷防止
  • • 汚れをサッと拭ける
  • • 費用:8,000円/㎡

珪藻土・漆喰

消臭・調湿効果

  • • ペット臭を軽減
  • • 自然素材で安心
  • • 費用:5,000円/㎡〜

強化クロス

表面強化タイプ

  • • 通常の10倍の強度
  • • 抗菌・防臭加工
  • • 費用:1,500円/㎡〜
ペット動線の工夫

動線設計

専用出入口

  • • ペットドア設置(2〜5万円)
  • • 玄関土間を広めに
  • • 足洗い場の設置

室内の工夫

  • • キャットウォーク設置
  • • 階段下をペットスペースに
  • • リビング内にケージスペース

安全対策

  • • 脱走防止フェンス
  • • コンセントカバー
  • • 階段ゲート設置
ペットと快適に暮らすための設備・仕様

必須設備

  • □ 換気システム強化(臭い対策)
  • □ 床暖房(ペットの健康管理)
  • □ シャワー付き洗面台
  • □ 収納付きペットグッズ置き場

あると便利な設備

  • □ ペット用床暖房エリア
  • □ 庭への直接アクセス
  • □ 見守りカメラ設置
  • □ 自動給餌器置き場

予算目安

ペット仕様追加費用

50〜150万円

床材・壁材・設備の変更費用込み

在宅介護を想定した間取り

基本的なバリアフリー設計

段差の解消

  • 玄関:スロープ設置スペース確保(勾配1/12以下)
  • 室内:全室フラット(段差3mm以下)
  • 浴室:浴室と脱衣室の段差なし

通路幅の確保

  • 廊下幅:900mm以上(車椅子対応)
  • 出入口:800mm以上(引き戸推奨)
  • トイレ:1800×1800mm(介助スペース)

コスト削減のコツ

将来対応として下地補強のみ先行実施。手すりは必要時に設置で初期費用を抑制。

介護しやすい動線計画

1階完結型プラン

寝室・トイレ・浴室を1階に集約。階段昇降の負担をなくす設計。

  • 主寝室から直接トイレアクセス
  • 介護ベッドが置ける6畳以上の洋室
  • 緊急時の搬送経路を確保

水回りの工夫

  • 3方向介助可能なトイレ配置
  • 浴室は1坪以上(1616サイズ)
  • 洗面台は車椅子対応型を選択
介護リフォームの費用目安と補助金

主な改修項目と費用

  • 手すり設置(1箇所)3〜5万円
  • 段差解消(スロープ)10〜20万円
  • 引き戸への交換10〜15万円
  • トイレ改修(広さ確保)30〜50万円
  • 浴室改修(バリアフリー)80〜150万円

利用できる補助制度

介護保険の住宅改修

上限20万円(自己負担1〜3割)要介護認定が条件

自治体の補助金

各市町村独自の制度あり。上限10〜30万円程度

バリアフリーリフォーム減税

固定資産税の減額(1/3軽減)所得税控除も

収納の失敗例トップ10と対策

後悔しないための収納計画の重要ポイント

1位収納量の絶対的不足

「見た目重視で収納を削った結果、物があふれる家に」

対策

  • • 現在の持ち物リストを作成
  • • 各部屋に収納率15%以上確保
  • • 将来の物の増加も考慮(1.5倍)
2位奥行きが深すぎる収納

「奥の物が取り出せず、デッドスペース化」

対策

  • • 奥行き45cm以内が理想
  • • 深い場合は引き出し式に
  • • 可動棚で高さ調整可能に
3位玄関収納の不足

「靴箱に入りきらず、玄関が靴だらけに」

対策

  • • 1人20足分のスペース確保
  • • シューズクローク設置
  • • ベビーカー等の置き場も計画
4位パントリーの動線ミス

「キッチンから遠く、使いづらい位置に」

対策

  • • キッチン横に直結配置
  • • 買い物動線も考慮
  • • 棚の高さは手の届く範囲に
5位衣類収納の場所ミス

「洗濯機から遠く、家事動線が非効率」

対策

  • • ファミリークローゼットを洗濯機近くに
  • • 各部屋に最小限の収納
  • • 季節物は別途収納計画
6位高さを活かせていない

「天井付近のスペースが無駄に」

対策

  • • 天井までの造作収納
  • • ロフト収納の活用
  • • 踏み台で届く高さに留める
7位掃除用具の収納忘れ

「掃除機やモップの置き場がない」

対策

  • • 各階に掃除用具入れ設置
  • • 幅30cm×奥行40cmあれば十分
  • • コンセント内蔵で充電も
8位子供用品の収納不足

「おもちゃや学用品があふれる」

対策

  • • リビングに大容量収納
  • • 子供の手が届く高さに
  • • 成長後は他用途に転用可能に
9位外部収納の不足

「アウトドア用品や工具の置き場がない」

対策

  • • 外部物置の設置スペース確保
  • • ガレージ内に収納棚
  • • 軒下収納の活用
10位書斎・在宅ワーク収納

「書類や仕事道具の整理場所がない」

対策

  • • 専用の書類収納スペース
  • • プリンター置き場も計画
  • • 配線を隠せる収納設計
収納計画の最終チェックリスト

量の確認

配置の確認

仕様の確認

動線シミュレーションの方法

実際の生活をイメージする動線チェック法

朝の支度動線(6:00〜8:00)

チェックポイント

  • ① 寝室 → トイレ → 洗面所の距離
  • ② 着替え場所 → 洗面所の動線
  • ③ キッチン → ダイニングの配膳動線
  • ④ 食事場所 → 玄関までの動線

理想的な配置

  • • 主寝室と洗面所は隣接または近接
  • • 家族が交差しない洗面動線
  • • キッチンから見える位置に時計
  • • 玄関近くに身支度収納

家事動線(日中)

洗濯動線

  • ① 洗濯機 → 物干し場の距離と経路
  • ② 物干し場 → 収納場所の動線
  • ③ アイロン作業スペースの確保

料理動線

  • ① 冷蔵庫・パントリー・シンクの三角形
  • ② ゴミ箱の配置と動線
  • ③ 配膳・片付けの効率性

夜の生活動線(18:00〜23:00)

帰宅後の動線

  • ① 玄関 → 手洗い場所への動線
  • ② 着替え・荷物置き場の確保
  • ③ リビングへのアクセス

就寝前の動線

  • ① 浴室 → 脱衣所 → 寝室の動線
  • ② 子供の寝かしつけ動線
  • ③ 夜間のトイレアクセス
アナログシミュレーション

図面に線を引く方法

  1. 11/50の平面図を用意
  2. 2時間帯別に色分けした線を記入
  3. 3交差点や渋滞ポイントを確認
  4. 4移動距離を実測して検証

💡 ポイント:家族全員分の動線を書き込むと問題点が見えやすい

デジタルツール活用

3Dシミュレーション

  • 実際の目線で動線確認
  • 家具配置後の通路幅確認
  • 扉の開閉シミュレーション

利用可能なツール

  • • ハウスメーカーの3Dプレゼンソフト
  • • スマホアプリ(間取りTouch+等)
  • • VRゴーグルでの体験
動線改善の実例と効果

キッチン動線の改善

Before:冷蔵庫がキッチンの奥
After:入口側に配置変更

効果:調理時間20%短縮

洗濯動線の改善

Before:1階洗濯→2階干し
After:2階に洗濯機移設

効果:移動距離80%削減

玄関動線の改善

Before:荷物置き場なし
After:土間収納を追加

効果:朝の支度3分短縮

デザイン・間取り決定のプロセス

理想の住まいを実現するための段階的なアプローチ

STEP 1
ライフスタイルの整理
家族の生活パターンや価値観を明確化
STEP 2
要望の優先順位
理想と現実のバランスを考慮した優先度設定
STEP 3
基本プランの作成
専門家との打ち合わせで具体的なプラン作成
STEP 4
詳細設計・仕上げ
細部のデザインや仕様の決定

次は何をすればいい?

間取り設計で成功するための3つの行動

1
今すぐできる!

理想の間取りを集める

PinterestやInstagramで「#注文住宅」「#間取り」を検索して、気に入った間取りを10個保存しよう

所要時間:30分
2
今週中に!

生活動線をメモする

1週間、朝起きてから寝るまでの動きを記録。不便な点、改善したい点をリストアップ

優先度:高
3
今月中に!

無料間取り相談を予約

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重要度:★★★